1/4窓(ヨンブンノイチウィンドウ

私の身近な人の友人が今年の初夏に作家デビューをしました。
 出版社から賞の選考にはもれたが、こんな時代だからこそ、世に出したいと要望があり出版に至りました。
 本の内容は彼自身の経験したことであり、自叙伝のようなものです。
 音楽の道に夢みて上京し、挫折し、地元に帰ってから自己嫌悪で心の病に苦しみ精神科病院に入院。そこからの現在の生きる道を彼らしく文章に落とし込んでいます。

 現在は地元で油絵の個展やハープやギター教室をするなど多才な人ですが、小説を書いていることや彼が重い心の病を患っていた事は、出版が決まってから登場人物名やバンド名の使用許可を貰うための連絡があった時に知り、友人の誰もが驚きました。

画家として活動もしているので、本の装丁も自らデザイン、制作しています。
 作中に出てくる何種類もの薬剤の名称をロックミュージシャンで比喩したり、精神科病棟での出来事や状態を有名文学の登場人物で揶揄する表現もありますが、知識のない人でも作者の意図が伝わるユーモアだと感じました。
 文章には好みもあると思いますが、私の印象では外国のロックミュージシャンのインタビュー記事を読んでる感じで、1日で読み切ってしまいました。
 彼はこの本のあとがきに「コレを読んで、一人でも多くの方が、生きようって思ってくれたら、命の尊さを一層鑑みてくれたら、私は幸せです」と認めています。
 彼はまだ若いですが、心の病に年齢は関係ないと感じました。もちろん、容姿も、生まれも、性別も。誰もがいつでも自ら生きることを選択することができる。自分の命は周りの人たちに繋がっているんだな、と気付かされました。

みみ・はな・のどでお困りの方は性別、生まれ、年齢問わず、京都市右京区阪急西京極駅近くの堀部耳鼻咽喉科医院まで。