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第61回「耳の日」記念公開講演会 聞こえを大切に 

耳の日講演会ポスター

1.高齢者の難聴 
 ~より良いコミュニケーションのための聞き方、話し方~

京都府立医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室 准教授 坂口博史

2.難聴と認知症
 ~聞くこと、しゃべることが認知機能低下を防ぐ~

日本耳鼻咽喉科学会 京都府地方部会 部会長 伊藤壽一  

講演を聞きに行かれた患者様の声を掲載させていただきました

3月3日耳の日にちなんで毎年その前後の日曜日に京都産業会館にて「耳の日の講演」が行われています。機会があれば是非聞きに行ってみてください。

1.高齢者の難聴 ~より良いコミュニケーションのための聞き方、話し方~

「聞こえ」は、とても大切です。

聞こえは耳と脳の働きで保たれており、それらが様々な原因で障害されて聞こえが悪くなることを難聴と言います。65歳以上の高齢者のうち1/3は難聴だと言われており、その多くは治すのが難しい老人性難聴です。

老人性難聴の聞こえ方の特徴の1つとして、「聴覚補充現象」というものがあります。これは、小さな音が聞こえにくいのに、大きな音は正常の人よりむしろうるさく聞こえてしまう現象です。また、聞こえる音の中でも、音の高さや言葉として聞き分けることが苦手になり、ひらがなの一つ一つの区別がわからなくなる「語音明瞭度の低下」といわれることが起こります。このような傾向は特に多人数での会話や、周囲に雑音がある環境での会話、またテレビや電話などの加工された音声で強くなります。

補聴器をつけている人

補聴器を用いて聞こえを補うこともできますが、「聴覚補充現象」や「語音明瞭度の低下」といった症状を治すことはできません。購入する際には、あくまで聞こえる音量を調節して少しでも会話の支障が少なくなることを目指すという気持ちで考え、自分に合った補聴器を選ぶ必要があります。また、難聴が高度で補聴器でも聞き取れない方の場合には、人工内耳を使って聴力を取り戻す方法も一般的に行われるようになりました。

周囲の人からの会話の助けとして、高齢難聴者にわかりやすい話し方の基本は、ゆっくり、そしてはっきりしゃべることです。自然な抑揚をつけ、語尾を曖昧にせず、文末をはっきり述べるように気をつけます。アイコンタクトや口もとの動きも理解を助けますから、できるだけ正面から顔を見て話すこともポイントです。

難聴がもたらす影響には、うつ病や認知症のリスク、要介護や死亡率の上昇などもあります。これらの悪影響をできるだけ防ぐためには難聴者本人の自覚と対策、家族のサポートなどが重要ですので、難聴でお困りの際はまずお近くの耳鼻咽喉科医に相談してみてください。

2.難聴と認知症 ~聞くこと、しゃべることが認知機能低下を防ぐ~

医療が進歩し、様々なトレーニングによって身体の元気な高齢者が増えています。 身体だけでなく脳も健康であるのは皆の願いですが、現在では認知症によるコミュニケーション障害が起こることも少なくありません。

認知症は、大人になってから、脳の障害によって認知機能が低下する状態です。

米国の研究によると、難聴を抱える高齢者は、認知症を発症する確率が聴力を維持している人よりも大幅に高くなっています。しかし、補聴器・人工内耳など機器による聴覚補助で認知症やそれにつながる難聴を改善できる可能性があります。

現在最も成功した人工感覚器と言われているのが「人工内耳」というものです。これは、内耳機能を失った高度難聴者に対して、内耳に機械を埋め込んで直接聴神経を刺激しその機能の代わりをします。成人では、中途失聴の(元々聞こえていて何かの原因で聞こえなくなった)人が手術の適応となります。一方で、先天的に聴力が失われておりそのまま成人になった人には、人工内耳の効果はあまりありません。しかし、小児の場合は、生まれつきの難聴でも言葉を覚える年齢(3~4歳)までに人工内耳の手術をすると、言葉の聞き取りは比較的良く、発音もきれいになります。

音を聞くこと、音が聞こえることは、人と人とのコミュニケーションを取るにあたりとても大切なことです。この機会に、大切な耳について理解を深め、少しでも困っておられる症状の解決に役立てて頂きたいと思います。

感想

難聴についての講演を拝聴するのは初めてでしたが、ただ難聴者の方と接しているだけでは決して分からない、より深い知識や理解を得ることができました。理解を深められる機会が定期的に設けられているのは難聴者の方にとっても一般の方にとっても有益で、今回はとても有意義な時間であったと思います。

患者様 H.M 20歳

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