鼻は魔法のような仕組み
暑くなると少しの刺激で鼻血が出るお子さんが多くなります。その原因は鼻の構造に関係しています。
暑くなると少しの刺激で鼻血が出るお子さんが多くなります。その原因は鼻の構造に関係しています。
鼻は、氷点下何十度の乾燥した冷気でも、のどの奥に達するときは、体温に暖められ湿度を含んだ空気になっています。 鼻の粘膜が他の部位に比べ多くの血管が入り込み、これによって温度と湿度を適度に与えることが出来る為です。 特に鼻の入り口は、うすい粘膜のすぐ下を多くの網目状の血管が走っており指で触っても容易に傷つき、出血します。
特に子供はよく鼻をほじります。病状としてアレルギー性鼻炎、蓄膿症、湿疹があると、鼻を良く触ります。 これが鼻血の原因になるのです。したがって、この場合はこれらの病気の治療をする事が先決です。
大人の鼻血は40代~70代の中高年が多く重症例がまれにあります。なかには、のどの上部や鼻の奥の腫瘍、肝臓の病気、血液の病気などが隠れていることもあります。脳梗塞や心筋梗塞・狭心症の予防で抗凝固剤を服用している人も血が止まりにくいので、必ず現在服用されている薬の内容医師またはスタッフにお伝え下さい。当医院では、硝酸銀塗布法や高周波電気凝固(コアグレーター)法で止血する事が出来ます。
鼻血が出た時はどうするかというと、まず安静にする事が大切です。周りの人が慌てると、子供も不安になり暴れたりして止血しにくくなります。落ち着きいすに座り、 鼻の入り口を両方から力いっぱい3~5分押さえます。大体はそれで止まります。血液がのどに流れたときは、決して飲み込まないようにしてください。
飲み込むと嘔吐や冷や汗の原因になります。鼻血が止まれば、頭を高くして、鼻のを冷やします。このとき鼻を触ったりかんだりすると、傷口の血管から再び出血します。鼻を決して触らない事。そして1~2日は入浴、運動は避けて安静にするようにしてください。
何度も続けて鼻血が出る、出血量が異常に多く止まるまで時間がかかった時は必ず受診してください。 子供の鼻血・大人の鼻血、鼻血の原因はさまざまです。早期の受診をおすすめします。